Evolution of MEXICO 66
MEXICO 66という
アイコンの進化
数あるオニツカタイガーのシューズの中でも、世界中で愛される永遠のスタンダードが「MEXICO 66」だ。その誕生と、知られざる進化の歴史を振り返る。
Family
多様な表情を見せる、MEXICO 66ファミリー
2002年に誕生してから今日に至るまでの「MEXICO 66」の系譜には、コラボレーションモデルや限定品など、進化の過程を彩る数々のサイドストーリーが存在する。現在展開されているバリエーションの一部をこうして並べただけでも、そのモデルの多様さに驚かされるが、カラー、素材、ディテールと、アレンジの幅は無限の広がりを見せている。
世界を広く見渡してみても、ひとつのモデルでここまで多くのバリエーションが展開されているものはそうそう見当たらない。
長い歴史の中で時代の流れやトレンドとともに進化を続けながらも、世の中のさまざまなニーズに寄り添い、応えてきた「MEXICO 66」。シンプルかつ普遍的なマスターピースでありながら、まるでまっさらなキャンバスのように、多様でクリエイティブな表現を柔軟に受け止め、吸収してきた希有なシューズと言える。アイコニックな「MEXICO 66」はこれからも人々を飽きさせることなく、常に新鮮さを保ち続けていくことだろう。
Transition
MEXICO 66
1961年に発売された2代目「リンバーアップ」をベースに、68年の国際的なスポーツ大会向けに開発された改良版「リンバー」に採用され、その後ブランドのアイコンとなったオニツカタイガーストライプを融合させたデザイン。ミニマルなレザースニーカーが求められた2000年代のトレンドの影響もあり、発売から程なくして、ヨーロッパのファッションシーンから人気に火がついた。オニツカタイガーのエントリーモデルであると同時に、不動のエースと言える名作だ。
2代目「リンバーアップ」から踏襲されている、かかと部分に施された「X」状のクロスパーツと履き口のタブは、構造上縫い目が重なり合うかかとの補強と、運動中に足首を靴ズレから守るためのディテール。
オニツカタイガーストライプは、1966年に国際的なスポーツ大会向けに開発された改良版「リンバー」で初めて採用された。若々しさを象徴する青と、情熱の赤を組み合わせたトリコロールカラーがアイコンとして定着。
MEXICO 66 DELUXE
登場以来世界的な人気モデルとなった「MEXICO 66」のアッパーに上質でやわらかいゴートレザーを採用し、さらに日本の職人が一足ずつ洗い加工を施した「ニッポンメイド」シリーズ。鳥取県境港市の山陰アシックス工業でつくられたシューズは、一度大阪府東大阪にある職人の工房へと送られ、そこで洗い加工によって長年履き込んだような奥深い表情が与えられる。ものづくりにこだわる日本のクラフツマンシップを世界に伝える、高品質なハイグレードライン。
洗い加工によって自然なシワのニュアンスが表現されたゴートレザーは、素足を優しく包み込むようなやわらかい風合いも特徴。履き込んでいくほどにツヤ感も増していき、上質なヴィンテージの雰囲気を醸し出す。
インソールにはオニツカタイガーのロゴとともに、「日本製」の文字が刻印される。トリコロールのモデルには、かかとのタブとシュータンのブランドタグに職人の手作業によってシルバーの色つけが施される。
MEXICO 66 SD
「MEXICO 66」の履き心地やディテールを再構築し、さらにスタイリングのバリエーションを広げたモデル。レトロでミニマルな表情はそのままに、上質なキッドレザーを用いたアッパーや、反発性に優れ、快適な履き心地を実現するOrthoLite X-40のインソールを採用した。
アウトソールには、初代「MEXICO 66」よりも若干厚めで、グリップ性に優れた独自配合素材を使用。さらにヒールウェッジには、クッション性を高めるアンプリフォームを採用。より快適な履き心地を実現している。
細めのシューレースを採用し、初代「MEXICO66」のスポーティな印象をよりスタイリッシュにアレンジ。さらにトップのアイレットにはメタルの鳩目を施し、さりげないデザインアクセントを添えた。
アップグレードされていく、タイムレスなアイコン
トップアスリートの競技用シューズとして生まれたオニツカタイガーのシューズは、時代に合わせたアップデートを繰り返しながら、今日も進化を続けている。その象徴である「MEXICO 66」の変遷をたどれば、ブランドの歩んできた軌跡がわかる。
2002年にアーカイブシューズをもとにして生まれた初代「MEXICO 66」は、それまで忘れ去られていたヘリテージを現代に蘇らせることで、ブランドに“ ファッション” という新しい表現方法をもたらし、世界中のオーディエンスにリーチできる扉を開いた。その6年後に生まれた「ニッポンメイド」シリーズの「MEXICO66 DELUXE」は、日本が誇るものづくりとクラフツマンシップを世界へと打ち出した。
誕生から16年を経た2018年発売の「MEXICO66 SD」では、さらにこの先の発展を見据えた機能のブラッシュアップが行われた。
10年後の「MEXICO 66」は、果たしてどんな進化を見せてくれるのだろうか。