Historical Shoes
名作シューズたち
オニツカタイガーの歴史の始まりは、スポーツシューズからだった。アスリートを支えるべく走り続けた革新の足跡を、1950年代から1970年代にかけての名作シューズからひも解く。
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1950
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1955
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1960
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1961
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1967
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1968
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1973
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1974
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1977
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1978
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1950
Tiger Mark
Basketball Shoes -
1955
Tiger Mark Nylon
Wrestling Shoes -
1960
Magic Runner
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1961
Limber up
Updated Type -
1967
Marup Nylon
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1968
Official Shoes for
Japan’s Delegation -
1973
Lawnship 30
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1974
Ohbori
Updated Type -
1977
Enduro
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1978
California
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Tiger Mark Basketball Shoes
1950年代、どんなスポーツにおいても足元は一般的な運動靴や足袋が当たり前だった。当時のバスケットボール強豪校、兵庫県立神戸高校の松本幸雄監督から「体育館でストップ&ダッシュが効く専用シューズが欲しい」と要望を受けて開発したのが、オニツカタイガー第一号モデルとなる「タイガー印バスケットボールシューズ」だ。翌年には、タコの吸盤から発想した「吸着盤型バスケットボールシューズ」も発売。その評判は、口コミで全国に広がった。
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Tiger Mark Nylon Wrestling Shoes
バスケットボールシューズの成功にとどまらず、次々と革新的なシューズを生み出していったオニツカタイガー。1954年には耐久性、耐水性に優れ、軽量なナイロン材をシューズに初めて採用。その特性を活かし、翌年に発売されたのが「タイガー印ナイロンレスリングシューズ」である。激しく接触する競技ゆえ、金属製の鳩目を内側に施すなど細かな配慮がなされている。1956年の国際的なスポーツ大会では多くの選手に採用され、2つの金メダルを獲得した。
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Magic Runner
1950年代は長距離走用シューズの開発にも着手。まめがつぶれ続ける選手たちの足を目にし、改善に取り組んだ。最終的にバイクの空冷式エンジンを見て空気循環システムで靴内の熱を逃がすことを考え、アッパーに通気孔を開けた「マジックランナー」を発売。1968年の国際大会では君原健二選手がこのシューズを履き、銀メダルに輝いた。
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Limber up Updated Type
さまざまなスポーツの専用シューズを開発するかたわら、あらゆる選手が広範囲で使える“トレーニングシューズ”も登場した。「リンバーアップ」もトレーニング用として開発され、1960年に初代モデルが誕生。以降、年を追うごとに改良がなされ、1966年にメキシコライン(現オニツカタイガーストライプ)が初めて採用される靴となる。また、1961年に登場したこの「リンバーアップ 改良品」は、2002年の「MEXICO 66」の原型にもなっている。
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Marup Nylon
「マラソンアップシューズ」を名前の由来とする「マラップ」は、1953年に「タイガー印マラップシューズ」として誕生し、その後も改良を重ねながら続々と登場。シリーズ後継作として1967年に発売された「マラップ ナイロン」は、アッパーにナイロン、ウレタンフォーム、トリコットの3層材を採用することで、それまでのナイロン材の懸念点であった通気性を確保することに成功。トリコロールの配色は、街で履くスニーカーとしても人気を博したはずだ。
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Official Shoes for Japan’s Delegation
国際的なスポーツ大会で代表選手が履くものを「デレゲーションシューズ」と呼ぶ。オニツカタイガーは1956年から1980年(日本は不参加)まで日本選手団のデレゲーションシューズを手がけ、このモデルは1968年の大会の際につくられたもの。日の丸をモチーフに赤と白で仕上げられた一足は、デレゲーションシューズとして初めてメキシコライン(現オニツカタイガーストライプ)を採用。1970年に登場する「ビッカー」の原型にもなっている。
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Lawnship 30
世界的なテニスブームに沸いていた1970年代、硬式テニス専用の本格的なシューズとして開発されたモデル。人工皮革を用いたこの「ローンシップ 30」のほか、レザー素材の「ローンシップ 40」、メッシュ素材の「ローンシップ15」の3型が同時発売された。デザインはそれまでのテニスシューズとは異なる外羽根式で、当時主流だったクレーコートでの使用を考慮し、土をつかみ、かつ土離れがいいヘリンボーンパターンのアウトソールを採用している。
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Ohbori Updated Type
この「オーボリ」誕生のきっかけは、1966年に国際陸上競技連盟(現ワールドアスレティックス)が世界で初めてチャンピオンシップとして認定したマラソン大会「福岡国際マラソン」に由来する。世界のトップランナーが集う同大会で海外にアピールすべく開発したマラソンシューズであり、その名前はスタート&ゴール地点である「大濠公園」からなる。軽く、衝撃緩衝性に優れた「EVA」素材をマラソンシューズとしてミッドソールに初めて採用した一足でもある。
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Enduro
1970年代にアメリカで巻き起こったジョギングブームは日本にも飛び火。そこでオニツカタイガーはアスリート向けのトレーニングシューズとは異なる、一般市民ランナーに向けたモデルを「ジョギングシューズ」と銘打ち、1977年にリリースする。そのひとつが、この「エンデュロー」だ。特徴的なのが、不整地での走りの安定性を高めるための巻き上がったヒール部。アウトソールにスタッドが配された同モデルはクロスカントリー用として発売された。
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California
「エンデュロー」がリリースされた翌年、新たなジョギングシューズとして発売された「カリフォルニア」。軽量で通気性に優れたメッシュ素材のアッパー、耐久性を高めるためつまさきやヒールにあしらったスエード素材を継承しつつ、アウトソールにヘリンボーン状の直線的なパターンを配したロード向けモデルだ。特筆すべきは、夜間に効果を発揮するヒール部分にあしらわれた反射材。ジョギングが、誰もが自由に楽しめるアクティビティになった証しである。