23 Jun 2023

木戸大聖 look.1

自分としても役としても
服は今の気持ちを素直に表現できる

20歳のデビュー以降、映画、ドラマ、舞台とさまざまな表現の場で活躍してきた木戸大聖。なかでも、2022年から配信されたNetflixオリジナルシリーズの『First Love 初恋』の演技で、俳優としてのさらなる存在感を世界に伝えた。画面からはうかがいしれない素顔は、実は大の服好き。Onitsuka Tigerの最新コレクション、2023年AWルックに身を包んだ彼に、自身のファッション観を聞いた。

Taisei Kido look.1

一つ目のルックは、印象的なラインが入ったトラックスーツのセットアップ。スニーカーとともにブラックで統一し、モードななかにもスポーティなエッセンスを感じる着こなしに仕上げている。

「トラックスーツのセットアップは、軽くて適度にストレッチも効いているし、着ていて快適。すごく動きやすいから、撮影でも自由に動けて楽しかったです! 私服はモノトーンが多くて、かっちりしたものよりスポーティなものをよく着ているので、look.1はすごく好みでした。元々古着が好きで、身軽に外に出かけられるような、パーカをメインにしたストリートな格好をよくしています。」

ファッションに興味を持ったきっかけは、友達と一緒に下北沢や三軒茶屋の古着屋を回り始めたことから。最近は、徐々に普段着のテイストにも変化が出てきいるそう。

「今も古着が好きですが、年齢を重ねるごとにちょっと大人っぽくなっていかなきゃなと思って、最近はジャケットのセットアップをお店で見ることが増えてきて。ついパーカーとかストリート系のアイテムを手に取ってしまうので、(笑)、品のいい服とうまくミックスしていけたらいいですよね。シルエットは、ゆとりのあるビッグなものが多い。体のラインがはっきりわかる服はちょっと恥ずかしいというのと(笑)、基本的にバッグを持ち歩くことがないので、お財布やスマホをポケットに入れてもシルエットが崩れて見えない服がいいんです。今回着たトラックスーツのように、動きやすさもすごく重要!」

Taisei Kido look.1

色はブラックが自身の定番。徐々にモノトーンルックを生かしながら、カラーアイテムを差してアレンジしていきたいという。

「黒で統一した着こなしが好きなのでキープしながら、どこかにビビッドな色を入れてスタイルをリフレッシュできたらと思っていて。好きなパーカーはいろいろな色を持っているのですが(笑)、たとえば派手な配色のスニーカーやプリントが鮮やかなTシャツを新たに取り入れてみたいですね。」

新しい服を手に入れるたびに、ワクワクすると語る。終始笑顔を絶やさず私服について語る彼から、服好き特有の雰囲気を感じる。

「たぶん多くの人もそうだと思うんですけど、新品の靴を履いて外に出た瞬間は、テンションがあがりますね。なんですけど、アイテムを下ろすタイミングをすごく悩むタイプで……。『初回はどんなコーディネートに合わせよう』とか『すぐに汚れたらどうしよう』とか考えちゃう。だから靴を下ろすのは晴れた日で、一日誰かに踏まれないように気を遣って歩いたりして(笑)。服を選ぶ時も『もっと理想に近いものがあるかもしれない』と思って、買い物がなかなか終わらない…。ファッションに対してかなり慎重派なんですね」

Taisei Kido look.1

日頃から大切に思っているファッションは、彼にとってどんな存在なのか。その答えに、服が持つ機能とは別の、本質的な魅力が垣間見えた。

「ファッションで生活に欠かせないものですし、自分の感性が反映されるもの。そのときの心情って言ったら大げさかもしんないですけど、服装には少なくともその瞬間の気分が素直に表れると思っています。逆に、『こんな気分になりたい』と思って服を選ぶこともある。気分を上げたいから、気持ちを切り替えたいから新しい服を着る、ということも」

ファッションの力を信じる木戸だからこそ、さまざまな人物を演じる俳優という仕事でも、服と心の化学反応を楽しんでいる。

Taisei Kido look.1

「作品の現場に入る前には必ず、演じる役が着る服を決める衣装合わせがあって、僕はこの時間がすごく好きなんですよね。僕自身、作品に入って役を考えていく過程で、一番スイッチが入る瞬間といってもいいくらい。さらに、役や服装に合わせて、メイクをしてもらったり、髪をセットしてもらったりすると、役に近づけていると実感します。僕にとって、その日の服を決めるって、私生活でも仕事でもすごく重要なことなんです」

→look.2では、俳優という仕事の魅力や日頃のリラックス方法などプライベートについてインタビュー!


Direction : Shinsuke Nozaka
Photo,Movie : Yoshiaki Sekine (SIGNO)
Stylist : Kosei Matsuda (SIGNO)
Hair,MakeUp : Akihito Hayami
Text : Hisamoto Chikaraishi(S/T/D/Y)

Taisei Kido

■PROFILE
1996年12月10日生まれ、福岡県出身。2017年にデビューを果たす。その後、ドラマ、映画、舞台、情報番組など、さまざまな表現の場で活躍。近年の出演作に、映画『怪獣のあとしまつ』、『メイヘムガールズ』、Netflixオリジナルシリーズ『First Love 初恋』などがある。現在、舞台『Shakespeare’s R&J~ R&J / シェイクスピアのロミオとジュリエット~』に出演中(6月18日まで東京芸術劇場シアターウエストにて、6月24、25日に穂の国とよはし芸術劇場FLATにて開催)。7月7日公開の主演映画『先生!口裂け女です!』がひかえている。
 
■着用情報
KNIT CARDIGAN
2181A835.001
¥71,500(税込)
 
KNIT PANTS
2181A836.001
¥77,000(税込)
 
DENTIGRE PUFF BOOT
1183C181.001
¥29,700(税込)