12 Feb 2026

堀田 真由 look.1

服選びが、チャンスを掴む感覚を研ぎ澄ませる

デビューして10年、さまざまなジャンルの作品や役柄をまたにかけ、俳優として眩しいほどの存在感を放ってきた堀田真由さん。昨年卒業した女性ファッション誌の専属モデルの活動を通して、ファッションアイコンとして同世代をはじめ、幅広いファンを魅了してきた。

その人気と活躍ぶりは、もちろん彼女の実力によるものだが、ひとえに堀田さん自身がもつ“好きなものへの感度”が関わっている。そしてそれは、ファッションに対する前向きで軽やかな姿勢とつながっているよう。オニツカタイガーの着こなしを入口に、堀田さんのファッション観を紐解いてみる。

Mayu Hotta look.1

「look.1はイエローを中心にしたビタミンカラーを全身に使ったコーディネートで、内側からエナジーが湧いてきました。私服でもジャージ素材のアウターを持っていて、カジュアルになりすぎないように着るにはどうすればいいのかと悩んでいましたが、この着こなしがヒントになりました。スカートを合わせて適度な肌見せすることで、スポーティなアイテムもかわいらしく健康的な印象に仕上げられるんだなと勉強になりました」

さまざまブランドのショーやイベントに赴き、数多の服に袖を通してきた堀田さんに、簡単だが難しい質問「自身にとってファッションとは?」を投げかけてみる。すぐに「今の自分や個性を表すことができるひとつの“自己紹介”」だと答えてくれた。

「これまで感じてきたことや見てきたものから影響を受けて生まれてきた、自分の感性の生い立ちを語っているようなものかもしれません。“私は今、こういうものが好き”という思いや“今の私はこんな感じ”という意識が、ファッションやメイクにつながっていると思っています。作品や役によって少しでも心の状態が変わると服装にも変化が出るんです。落ち着いた性格の役を演じている時は黒い服をよく着ていますし、自己肯定感を上げたい時はビビッドな配色の服を選ぶことが多いです」

買い物のルールを聞くと、「一目惚れ即決タイプです。悩んだら買います」とうれしそうに語る。それは、ファッション好きだからという理由だけにとどまらない、実は両親から受け継いだ大切な人生観でもあったという。

「昔から『気に入ったものは買った方がいい』と両親から言われてきました。一種の家訓というか、教えというか(笑)。即決できないものでも、どこか引っかかるものがあれば手に取りなさい、と。それはお洋服に限らず、どんなことでもチャンスをつかむきっかけがあったらトライするという、今の感覚の源になっています。日々いろいろな選択肢がある中で、どこかに気になる部分があれば、興味や意識が向いていることだと思いますし、試してみる価値はあると思っています。

Mayu Hotta look.1

また、やることもやらないこともどちらにも正解があるとは思いますが、試す以上は選んだものを正解にするという気持ちで取り組みたいです。自分が挑戦したことのないお洋服を悩んで手に入れたら、うまく着こなしたいって思いますよね。 そういう気になる新しい要素=“良い異物”を常に取り入れるように意識しています。今気になっているのは、アイウェアです。クラシカルなウエリントンタイプがずっと変わらず好きということもあって、なかなか他の形に挑戦できていなくて。特に、大きめのフレームやダブルブリッジのアイウェアに注目しています」

自分らしさを出すために、大事にしているアイテムについて尋ねると、「思い出と物語」という意外な答えが返ってきた。その真意は──。

「新しい感覚やトレンドを求めつつ、自分らしく服を楽しむために“ストーリーがある服”をスタイリングに取り入れています。例えば、昔母が愛用していて、私が大人になって受け継いだコートや、お仕事をがんばって初めて買ったジュエリーなど。変わっていく感性と変わらない思い出を着ることで、私という個性を出せる気がしています」

Mayu Hotta look.1

俳優と並び、モデルとしても活躍する堀田さん。日頃からファッションに喜びと力をもらっていると語る彼女が目指すモデル像とは、俳優で培った感覚を取り入れた自然に服に馴染む人物だ。それぞれの魅力を理解しながら、お互いに活かしている。

「モデルは私にとってすごく楽しいお仕事です。普段はなかなか着ることのないお洋服にチャレンジができて、自分の新しい世界が次々と開いていく感覚に面白みを感じています。モデルさんには、いろいろなお洋服を着こなせる方と、全てのお洋服をその人らしくできる方の、二通りがあるのかなと思っています。これはファッションへのアプローチの違いであって、私はどちらかというと、いろいろなお洋服を着こなせる存在になりたいと考えています。お洋服の素晴らしさを第一に見せたいですし、活動の軸足をお芝居に置いている人間なので、“変幻自在に演じられる”という私の個性をファッションの世界にも持ち込めたらいいなと思っています。

Mayu Hotta look.1

雑誌『non-no』のモデルとして5年半を過ごした中で、ファッション撮影の際にスタッフのみなさんの中にある正解が見える瞬間がすごく楽しかったです。『このルックでは何を見せたくて、私はどういうことを求めてもらえているんだろう』に対する答えを、すごく短い時間で表現することは刺激的でした。役作りなどの準備から撮影まで段階を追って、長い時間をかけてつくるお芝居とは異なる時間軸で、異なる面白さがあります。それぞれで培われた瞬発力と持久力は、表現するという点で互いに良い影響を与えていると感じています」

服を愛し、それにより日常の喜びを受け取るというポジティブな循環が堀田さんの中に流れている。それは自身のお芝居にも影響を及ぼし、活動の糧にもなっている。堀田さんの感性に触れたことで、そんなファッションの力を教えてもらった気がした。

→look.2では、演技の魅力や芝居で大事にしていることなど俳優活動について聞きました。


Direction : Shinsuke Nozaka
Photo, Movie : Genki Nishikawa
Stylist : Kosei Matsuda
Hair & Make up : Tomoe Nakayama
Text : Hisamoto Chikaraishi(S/T/D/Y)

Mayu Hotta

■PROFILE
1998年4月2日生まれ、滋賀県出身。2014年にアミューズが開催した新人発掘オーディションを経て、活動をスタートする。翌15年放送のドラマ『テミスの求刑』で俳優デビュー。その後、連続テレビ小説『わろてんか』に出演し、注目を集める。ドラマや映画で数多くの主演作、出演作を経験。近年の代表作に、ドラマ『御上先生』、『僕達はまだその星の校則を知らない』(ともに25年)、映画『ある閉ざされた雪の山荘で』、『劇場版 君と世界が終わる日に FINAL』(ともに24年)などがある。25年、5年半勤めた雑誌『non-no』専属モデルを卒業。現在は、『坂上どうぶつ王国』(フジテレビ・毎週金曜19時〜)にレギュラー出演し、『ANOTHER SKY』(日本テレビ・毎週土曜23時〜)ではMCを務める。
 
■着用情報
WOMEN’S TRACK TOP
2182B578.001 (BLACK)
 
WS PRINTED TEE
2182B636.750 (YELLOW)
 
WOMEN’S DENIM BUTTON DOWN SKIRT
2182B575.750 (YELLOW)
 
LAPLUNG
1183C542.751 (WHEAT YELLOW/FACED YELLOW)