寛一郎 look.1

2017年に俳優デビューし、これまでドラマや映画、舞台など数多くの作品で活躍中の注目俳優、寛一郎さん。近頃やっと自分の見せたいものや軸が見えてきたと話す。それによってファッションにも変化が生まれ、今回身に纏ったOnitsuka Tigerの2023AWルックには彼のスタイルに通ずるものがあったようだ。彼の中に起きたファッションスタイルの変化について話を聞いた。

一つ目のルックは繊細で柔らかな風合いのニット素材で仕上げたオールブラックのセットアップにジャケットをオン。スニーカーはホワイトで合わせて抜け感を演出する。

「僕も普段黒をメインにしたスタイリングが多いので、1ルック目は特に好きでした。トップスとパンツともにニット素材なんですが、とても着心地が良かったです。ハーフ丈とロング丈のパンツをレイヤードしたスタイリングは初めてだったので勉強になりました。今回のルックのようにフォーマルなものに敢えてパンキッシュな要素を入れて着崩すスタイリングは、最近自分の中で定着してきたスタイルに通ずるものがありました。」

現場ではリラックスした表情も見せながら、カメラの前に立つと強い瞳でレンズを見つめガラリと印象を変えた。その顔の裏には緊張していたという意外な一面も。

「去年からファッション撮影は少しずつ増えてきたんですが、まだ恥ずかしいですね（笑）。でも撮影を重ねるごとに自然体でいられるようになり、その場を楽しめるようになりました。洋服は好きなので今後もどんどんトライして表現の幅を広げていきたいです！」

ロックなマインドが反映されたスタイルに惹かれると話す、寛一郎さん。ファッションで影響を受けた人物として俳優のクリスティン・スチュワートの名前を挙げた。

「昔からロックバンドが好きで反骨精神のあるロックなファッションに惹かれます。最近では俳優のクリスティン・スチュワートさんのパンクでロックなファッション観に刺激を受けました。あるファッションショーに来場していた彼女は、新作アイテムもしっかりと自分のスタイルに落とし込んでいて、純粋にかっこいいなと思いました。それは自分自身をよく分かっているからできるんだと思います。僕は自分のファッションが定着したのは20歳くらいで遅い方だと思うんですが、やっぱり自分の見せ方や軸が確実になってきた時に、自分の好きなファションも分かってきた気がします。」

取材時に、一つ一つ丁寧に言葉を拾いながら答える様子が印象的だった。自分とは何かを常に真正面から考え続ける彼に、ファッションはどんな存在かと問いかけると、その答えには彼の人生が色濃く反映されていた。

「ファッションという言葉を言われたら緊張してしまうんですが、文化的なものであり、僕たちが着る当たり前のもの、そして自分の好きなものを再確認できるものだと思います。最初から自分の好きなものが分かっている人もいると思うんですが、僕は自分の中でどう見られたいか、どう見せたいかと考えている時間が多かった。見つかるまでトライ&エラーをたくさんしてきましたが、そこも楽しめるのはファッションの魅力ですよね。」

表舞台の寛一郎さんではなかなか見られない、オフの過ごし方についても話を聞いた。

「去年の10月からPCゲームにハマってしまったんです。ずっと家にいても平気なタイプなので永遠にゲームしてダラダラできます。ダメですね〜（笑）。あとは田舎に行くのが好きです。一人でも行きますし、友人とドライブしながらお風呂へ入りに行ったり。最近は静岡の温泉へ行きました。」

撮影の合間にはスタイリストやヘアメイクのスタッフたちと筋トレや健康法について、和気藹々と楽しそうに話し優しい笑顔を浮かべる様子も垣間見えた。カメラの前に立った時の彼の表情は凛々しく逞しい。そのギャップとクールで男らしい姿勢が、寛一郎らしさなのだろう。

→look.2では、寛一郎さんの俳優業での分岐点について話を聞きました。

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Direction : Shinsuke Nozaka
Photo, Movie: Masato Moriyama (TRIVAL)
Stylist : Masataka Hattori
Hair & Make up : Hirokazu Endo（OTA）
Text : Saki Shibata