09 Oct 2025

奥平 大兼 look.1

ファッションと音楽は時代を超える。古き良きものを愛する、奥平大兼の秋の着こなし

好きなものを辿っていくと意外なつながりに導かれ、それがまた自身を形成する一部となる。中学時代、ファッションの魅力に引き込まれた俳優の奥平大兼さん。毎シーズンのコレクションは隅々までチェックし、斬新なデザインや世界観に心を躍らせた。そんな彼が今回身にまとったのは、「DENIVITA(デニヴィータ)」の新作だ。ウォッシュド加工されたシャツとジャケット、デニムパンツは着るほどに味わいが増し、自然と体に調和する。気に入った洋服はとことん着倒す、奥平大兼さんの心にも響いた。

「オニツカタイガーのデニムはとても新鮮でした。特にワイドシルエットのデニムが好きなので、今回のアイテムを着ることができとても嬉しかったです。気に入った洋服はボロボロになるまで着るんですが、このデニムは触った感じ生地がしっかりしていてどんどん愛着が芽生えるような一着ですね。これまで手に入れたデニムは穴が空いたりほつれたりしても、すぐ捨てずに取ってあるんです。時々見返してまた着たくなる時があるから。時を超えてまた袖を通したくなるのがファッションの楽しさですよね」

Daiken Okudaira look.1

ファッションの面白さに目覚めたのは中学時代のこと。同志の友人と最新コレクションの話を交わしたり、古着屋を巡り青春時代を過ごした。

「中学生の頃が一番ファッションが好きでした。尖っていたというか、既存のファッションよりも新しい着方はないかと探していた時期で、それがとても楽しかったですね。それのおかげで色々な着方を学びましたし、歴史やルーツを教えてくれた古着のオーナーとの出会いもありました。『洋服は足元から』って言うじゃないですか。でも当時の僕はそれに反抗したくて、上から攻めていく時もあって(笑)。なので靴に興味を待ち始めたのは遅かったです。最近は色々なものを履くようになりましたが、やっぱり履き心地の良いものに惹かれます。今回のスニーカーは、ソールも厚くボリューム感のあるデザインなのに、軽くてとても履きやすかったです。あとは元々空手をやっていたので、日常的に下駄を履くことも多いですね。歩くたびに音がするので迷惑かなとも思いますが(笑)」

Daiken Okudaira look.1

彼がファッションと同じくらい愛しているのが音楽だ。幼い頃ピアノを習っていたこともあり、クラシック音楽を聞くことが多いという。中でも最近は久石譲さんの音楽を改めて聴き、その魅力に翻弄されている。

「オーケストラはよく聴いていたんですが、最近は久石譲さんの音楽にどっぷりハマっています。ジブリの曲以外にも素晴らしい曲がたくさんあり、改めてその魅力に引き込まれています。いつかお会いしてみたい人ですね、久石譲さんのクラシックコンサートにぜひ行きたいです。僕にとって音楽はなくてはならないもので、ヘッドホンは手放せません」

奥平大兼さんの音楽好きは必然だったように思う。ロックが好きな父とダンスが好きな母の間に生まれ、自身の誕生日である9月20日についても語ってくれた。

「もう一人会いたいアーティストを挙げるなら、アース・ウィンド&ファイアー! 彼らの曲に『セプテンバー』という曲があって。僕の母がとても好きで、あの曲は9月21日の曲なんですが、僕を産む時にどうしても21日に産みたいと予定日になっても気合いで我慢していたそうですが、前日の20日に生まれました(笑)。家でもずっと流れている大好きな曲です」

Daiken Okudaira look.1

そして今年22歳になった奥平大兼さん。9月から放送のNHK夜ドラ『いつか、無重力の宙(そら)で』では大学生役を演じる。歳を重ねるにつれて役の幅も広がっている様子。

「これまでは高校生役が多かったですが、今回は数少ない大学生の役を演じます。真面目なキャラクターで新しい挑戦です。30代の女性4人を中心に人工衛星を打ち上げるストーリーで、色々な感情に共感できる見応えのある作品になると思っています」

愛するファッションと音楽が奥平大兼さんの体の一部となり、確実に糧となっている。好きなものに出合えた彼の中学時代に、さらに新たな俳優の道という巡り合わせが起こる……。

→look.2では、奥平大兼さんの俳優業について聞きました。


Direction : Shinsuke Nozaka
Photo, Movie : Nobuko Baba(SIGNO)
Stylist: Kosei Matsuda
Hair & Make up: Akihito Hayami(CHUUNI)
Edit, Writer : Saki Shibata

Daiken Okudaira

■PROFILE
2003年9月20日、東京都生まれ。映画『MOTHER マザー』では、母親の歪んだ愛情を受けて育った少年を見事に演じ、デビュー作にして、日本アカデミー賞、ブルーリボン賞などで数々の新人賞を受賞。 TBS 日曜劇場 『御上先生』では、成績優秀でカリスマ性のある生徒役を演じ話題に。近年の出演作には映画『Cloud クラウド』、映画『雪風 YUKIKAZE』、NHK夜ドラ 『いつか、無重力の宙で』などがある。
 
■着用情報
DENIM BLOUSON
2181B092.300(LIGHT BLUE)
 
DENIM SHIRT
2181B087.300(LIGHT BLUE)
 
DENIM PANTS
2181B115.300(LIGHT BLUE)
 
DENTIGRE PADDY
1183C452.001(BLACK/BLACK)