『DON’T STOP!』公開記念!小橋賢児さん&高橋歩さんスペシャルインタビュー
9/8(土)より公開となるドキュメンタリー映画「DON’T STOP!」で初監督を務める小橋賢児さんと出演者である作家・自由人の高橋歩さんにスペシャルインタビューを行ないました!
■あらすじ:
「一度でいいから、アメリカに行って、ハーレーでルート66を走りたかった…」という夢を持ち続けていながら不慮の事故で車イス生活を余儀なくされたCAP。そんなCAPと作家・自由人、そして冒険家である高橋歩が出会い、夢を諦めているCAPをみて「だったら行くべ!」とルート66へ行く約束をする…。そしてCAPの母親とその幼なじみの70代コンビ、CAPの娘2人、高橋歩の旅仲間など、年齢も職業も立場のバラバラな11人の旅が始まった…。
ーこの旅が始まった時のことを教えて下さい。
高橋歩さん(以後、高橋):
まず最初にCAPのお母さんが僕のトークライブをみにきてくれて、その時にライブが終わってから、仲間に「お前に会いたいって言っているおばさんがきてるぞ」って言われて、会ってみたら「息子が大変なのよ~、でもアナタにどうしても会ってもらいたいんだけど…」ってくらいの軽い感じで話しかけてくれて、俺もノリで「じゃー行ってみようかな」みたいな感じになったんだ。
そうしてCAPが住む家へ行き、部屋まで案内されて、入ったら衝撃的だったね。年をとってる人の部屋らしくないというか、部屋の中が若いって感じ。アメリカンで、そしてロックな雰囲気が漂っていてさ、異次元な感じがしたよ。初対面といっても、なんか普通に挨拶して、いきなりバーボン飲まないかってなって(笑)。気づいたらロックを聴きながら一緒にバーボンを飲んで映画や音楽の話で盛り上がったよ。
その時に見た、CAPの部屋に飾られていた彼の若い頃の写真が印象的だったなぁ。めちゃくちゃかっこ良いんだよね。CAPの趣味って、俺にもかぶるところがあって、バイクも好きでアメリカも好きで、だからこそ彼のバッググランドが想像できたんだ。話しているうちに、CAPの夢はアメリカのルート66に行くことだって知って、でもその夢を諦めているCAPがいて…ふと言ってしまったんだけど、「車イスでもアメリカ横断は全然行けるから!」って。
俺からしたら何で諦めてんのか理由が分からなかったくらい。俺は家族と一緒にキャンピングカーで旅をしているんだけど、車イス?全然行けちゃうよって言ったんだ。その時一緒にいた仲間のケンタロウってやつも「行けるっしょ」みたいな軽いノリであっさり決まったんだよ(笑)。旅に出ることに葛藤とか、悩んだとか全くなかったね。
ー映画を撮る上で、また旅をする上で大変だったことはなんでしたか。
小橋賢児さん(以後、小橋):
“予定通りにいかなかった日 ほぼ毎日”って映画でも伝えているように、本当に色々なアクシデントがいつもあって、だからこそ素晴らしい奇跡に出会えたんだと思います。映画を撮っている時は夢中だったから大変さを感じるというよりかは、毎日が必死でしたね。
ー作品の中のワンシーンで、旅が始まってすぐにCAPさんの娘さんたちと話し合いをする場面がありましたが、どんな感じでしたか。
高橋:
実は娘たちは、俺らのことをガイドだと思って参加したみたいで。この旅が決まった時にCAPのお母さんが旅の資金を出しますって言ってきたんだけど、俺はそれを断ったんだ。
それじゃ俺らはただ旅をアテンドする人みたいで、それだったら面白くないから俺らは行かないよって言ったんだよ。もちろん、俺らも自分たちで旅費も出すから一緒に旅をしましょうよってね。だからてっきりその話も娘たちにちゃんと伝わっていると思っていたら、全然伝わってなくて(笑)。お母さんに雇われたガイドって思っていたから、俺らの軽いノリな感じで動いていたことに娘たちは腹がたってしまったみたい(笑)。
小橋:
でもそれが逆に良かったですよね。疑問を抱いたまま旅をするよりもちゃんと理解しあえた上でスタート出来たし、もちろん知らない人たちと一緒に旅をするのも大変だから、その不安もあったと思います。
それに、まさか父親の夢を叶えてくれる心優しい人たちがいるんだなんて思ってなかったみたいです。冒頭で登場したCAPの妹さんや娘たちは、最初詐欺かと思ったって言っていました(笑)。
高橋:
確かに詐欺かと思ったって言ってたね(笑)。まぁ見た目は怪しいかもな…。
小橋:
しかも歩くん、CAPには出発前に一度会っただけで、次にあったのは出発当日の空港でしたからね(笑)。
ーゴールした瞬間はどうでしたか?
高橋:
なんて表現したらいいかな、あの気分は…。メンバーは「着いた~!さっ、どこで飲む?」みたいな感じだったね(笑)。俺はCAPがテンション上がってワーってなるかと思ってたら、なんかもう顔が優しくなっていて仏様って感じの表情だったのが印象に残っているよ。サンタモニカの桟橋のところで見たCAPの顔は本当にいい顔をしていたよね。
小橋:
本当にいい顔をしていましたね。
それに最後まで皆が自由な感じでいい味だしていましたね。仲間も、娘たちも、お母さんも。ようちゃん(CAP母の友人)なんか「え?ここロサンゼルス?」とかすっとぼけていたんです(笑)。
ー初めて映画を撮られての感想は。
小橋:
僕はこれまで芸能生活を中心に生活してきて、好きな仕事を出来る喜びはもちろんあるけど、仕事を理由にやりたいことや、行ってみたい場所へ行けないまま時間だけが慌ただしく過ぎていく中で、もっと自分だけの時間を感じてみたいと思い、一度休業して旅にでることにしました。
そんな中、共通の知人を通して歩くんに出会って、そこからまたなんか開けたんですよ。その時、歩くんと夢の話になって、そしたら歩くんが「大人は夢の理由をつけたがるけど、俺は夢に理由はつけない。ただワクワクしただけなんだ」って言っていて、それを聞いた瞬間、俺ももっと自分の挑戦したいことにどんどんチャレンジしてみようと思いました。好奇心を大切にしてみようって。
そしてまたそんな時に歩くんが、「今度さ、車イスで生活している人とルート66を旅するんだよねー、面白そうじゃない?」ってニコニコした顔で言っていて、その旅の軌跡を映画として撮らせてください!と言っちゃったんですよね。とは言え、映画作ったことがないし(笑)。
でも自分の旅を映像として撮っていたので、旅する姿を映像に収めて、最終的にどうにか映画として完成できればいいなと考えました。でもいざ撮り収めた映像を“映画”にするために編集作業に取りかかった時、ものすごいプレッシャーに襲われました。
この作品を世の中に出すにあたって、まずこの作品に登場している人たちが一般の人たちだし、ましてや車イス生活を余儀なくされたCAPが出ているので、それに対して世の中の人たちはどう思うのだろうとか、歩くんのファンの人たちにも受け入れてもらえるかなとか、色々考えましたね。映画が完成するちょっと前に震災も起きたし、それに、ちょっと考えすぎてしまって、一度頭の中をリセットするためにお寺に籠りに行ったりもしたんです(笑)。
高橋:
お寺に籠ったりしたら、余計に考えちゃうな(笑)。
小橋:
編集含めて、ちょっと考えてしまうこともあったけど、この作品を作れて良かったです。自分で作っているけど、なんか“出会えた”感じがします。映画自体がDON’T STOP!ですね(笑)。
ー読者へ一言メッセージをお願いします。
高橋:
CAPのように身体に障害をおっても、何か夢があれば挑戦してみるべきだと思うんだよね。閉じていた未来が少しずつ開いていくのって、やっぱり楽しいからさ。俺たちでも疲れる旅なんだぜ、それなのに、CAPはずっと元気だし。元々あいつもかっこつけだから「俺は全然平気だから」とか言って旅を続けていたんだと思うんだよね。でもその姿見たら、俺たちの方がなんかパワーをもらっちゃったよね。男気みたいなものをもらった。それに皆、対等にいられたしね。
CAPと出会えたことで、俺もたくさん学ぶことがあったし。自分たちのフィーリングで進めていくことで、想像もしていなかったことに出会えるし、またそこから次の何かに出会えるだろうし、ホント終わりがないんだよね。それに、障害があろうがなんだろうが、皆同じじゃん!て思うよ。
小橋:
夢を持っていれば皆同じ。本当にDON’T STOP!な感じを大切にしていきたいです。止まってないで、どんどんチャレンジしてほしい。僕もそうして凄く色々なものに出会えたし、これからがますまず楽しみです。立ち止まっていてもシーンは変わらないけど、歩き出せばそこから景色は変わりますからね。是非、映画を観て楽しんでいただけたら嬉しいです。
「DON’T STOP!」
《SKIPシティDシネマプロジェクト第二弾支援対象作品》
監督:小橋賢児
日時:9/8(土)より公開
劇場:新宿武蔵野館、立川シネマシティなど
URL:http://dontstop.jp/
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1979年、東京都出身。1988年、8歳の時に自ら送った1枚のハガキがきっかけで芸能界へデビュー。NHKドラマ「ちゅらさん」シリーズ (2001~2007年/演出:大友啓史ほか)、ドラマ「打ち上げ花火 下から見るか? 横から見るか?」(1995年/岩井俊二監督)、『スワロウテイル』(1996年/岩井俊二監督)、『あずみ』(2003年/北村龍平監督)など数多くの 作品で活躍。2007年、自らの可能性を広げたいと俳優活動を突如休止し、アメリカに留学。その後世界中を旅しながら映像制作を始める。帰国後、ファッ ションブランドのPV監督やDJ、イベントプロデュース等、俳優の枠を超えてマルチに活動。
2010年、初対面の高橋歩から車椅子の不良オ ヤジ“CAP”との旅の構想を聞き、インスピレーションを得て旅の記録を映画化することを熱望、二人の快諾を得て映画の製作が決定。アメリカ大陸 4,200キロの旅の全行程に同行して自らカメラを回し、帰国後約半年間の編集を経て長編ドキュメンタリー映画『DON’T STOP!』を完成させた。
そして2011年、本作が「SKIPシティ国際Dシネマ映画2011」にて「SKIPシティアワード」を受賞、同時に「SKIPシティDシネマプロジェクト第2弾支援対象作品」に選出された。
1972年 東京都出身。20歳の時に大学を中退し、仲間と一緒にアメリカンバー「Rock Well’s」を開店。2年間で4店舗に拡大し成功を収めるが、店舗を仲間に譲渡しリセット、23歳で自伝を出版するために出版社・サンクチュアリ出版を設立する。自伝「毎日が冒険」をはじめ、数々の作品を出版し、ベストセラーとなる。
26歳で結婚すると、このサンクチュアリ出版を仲間に譲渡し、全てをリセットして世界一周新婚旅行へと旅立つ。約2年に渡る旅を終え、帰国後は沖縄に移住し、自給自足のアートビレッジ「BEACH ROCK VILLAGE」を主宰。同時に出版を中心としたファクトリー「A-Works」、世界中の気に入った場所にカフェ・レストラン・ゲストハウス等を創る「PLAY EARTH」を起業する。
2008年には、ボランティアと共に、インド・パラナシに子供たちが無料で通える学校「MOTHER BABY SCHOOL」を開校。続いてジャマイカにも学校を開校した。これらの活動をNPO法人「オンザロード」を通じて広げている。